脱ゆとり教育は無意味だった

2006年以降はPISAの学力テストの結果が落ちていたので、今度は従来の詰め込み式教育に戻そうという流れに切り替わりました。

 

 

しかし、ゆとり教育によって学力が下がったなどという確証は実は殆どありません。

 

 

「脱ゆとり教育」を受けなかった世代が記録上昇

 

 

2006年のPISA(生徒の学習到達度調査)の結果が前回の2003年よりも更に劣った結果になったことで、それまでのゆとり教育を従来の詰め込み教育に戻そうとする風潮が高まったのです。

 

 

で、2009年には脱ゆとり教育路線の授業が始まり、少しずつ学習指導要領も見直され始めました。

 

 

授業時間などが増やされるなどの従来の授業方針に再び戻されはじめ、2009年にはPISAの調査がありましたが、ここでの順位は2006年よりも上昇していたのは確かです。

 

 

もう一度順位の変動を見てみましょう。

 

 

 

数学リテラシー

(数学)

読解力

(国語)

科学リテラシー

(理科)

2006年

10位

15位

6位

2009年

9位

8位

5位

2012年

7位

4位

4位

 

 

確かに、2006年よりも2009年の結果は良いものでしたが、ここで忘れてはならない事実が1つあります。

 

 

それは、2009年から再開された「脱ゆとり教育」を受けた学生は、このPISAの学力調査を受けていないと言う事です。
 
 
PISAの国際テストを受ける事になっているのは各国の15歳の学生たちです。
 
 
で、2009年に15歳だった人というのはおよそ1994年付近の生年月日の子供で、その人達は2002年から始まったゆとり教育を合計で約7年もの間受け続けていたゆとり世代です。

 

 

つまり、2009年のPISAに参加したのは今までどおりの長年「ゆとり教育」で育った学生たちだったということです。

 

 

文部科学省や日本のメディアの大半は「脱ゆとり」の教育方針に切り替えたからだと言いますが、実態は違います。

 

 

本当にゆとり教育が人々の学力低下につながったというのであれば、2009年の「脱ゆとりの学習指導要領」を受けていないはずの子供のPISAの結果が再上昇したのは説明がつかないはずです。

 

 

2012年に更に上昇した理由

 

 

授業時間が増えた「脱ゆとり教育」が全面的に中学校で開始されたのは実は2012年になってからのことです。

 

 

2012年には更にPISAの調査結果が全面的に上昇しているという結果になっていますが、ここでも冷静に考えて下さい。

 

 

2012年に満15歳の学生だった人というのは大体1997年付近に誕生した人です。

 

 

そして、2002年からのゆとり教育を2009年までの約6年〜約7年間は受けて育った世代ということです。

 

 

中には2009年からの「脱ゆとり」の学習指導要領で育たなかった人もいるでしょう。

 

 

しかし、2012年の結果は2009年以上に高い結果が出たわけです。

 

 

実際問題として、政府の新学習指導要領や授業時間の増加というのは正直その目的が非常に不明瞭だったりするのです。

 

 

私自身もゆとり世代の真っ只中の人間なのでよくわかるのですが、2004〜5年くらい(中学3年だったと思います)のときに学力低下の影響のために夏休みを3日くらい減らされるというようなことがありました。

 

 

夏休みをわずか3日程度減らしただけでどう学力向上につながるのか、理解に苦しみますでしょう。

 

 

こんなものなのです、文部科学省や教育委員会の学力向上の施策などというものをあてにできないと思いませんか?

 

 

全国学力テストの結果が良くならないから対策の為の過去問題のようなものを行い、表面上のテストの点だけを一時的に高くすれば良いという発想と大差がありません。

 

 

何よりも、本当に学力低下を防ぎたければ子供達の学ぶ意欲を喪失させるような現行の学校制度と授業内容を全て変化させることが遥かに重要だと私は考えます。


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