ドキュメント高校中退 いま、貧困がうまれる場所

私がワーキングプアの問題と同時に、若年層のワーキングプアの途中経過を知るために読んだ1冊です。

 

 

ドキュメント高校中退―いま、貧困がうまれる場所 (ちくま新書)

842円

 

 

また、底辺クラスの高校と学力上位の高校では中退率に大きな差があることなどもわかりやすく記載されており、小学生・中学生の子供を持つ家庭には特におすすめの書籍です。

 

 

この本の注意点としましては、最低でも高校だけは卒業させなければ子供が貧困になるから高校を卒業させようということではありません。

 

 

また、低レベルの高校ではなくなるべく進学校に進ませようということでもありません。

 

 

日本の学校教育制度や公教育に対する国庫負担(税金での教育費の負担率)が低すぎることなどがあまりにも多くの問題を生んでいる現実を知って下さいということです。

 

 

そして、お金についての教育を施さないと未来の労働者になる子供はどのような末路を辿ることになるのかを、各家庭が真剣に考えて下さいということなのです。

 

 

貧困が低学歴・低学力を生み出している現実

 

 

著者の方の取材で10代から20代の高校中退者などのその後や、生まれてからの生い立ちなどの他、底辺高校の現実がどのようなものかが非常に詳しく書かれています。

 

 

そして特に注目すべきなのは、底辺高校などに進学する家庭の経済力はとにかく低いことが多いという実態です。

 

 

貧しい家庭では子供の教育に殆どお金をかけることができず、受験競争などにそもそもとして勝ち目などあるはずが無いのです。

 

 

また、そうした家庭では親子の関係というものがとても希薄なことが多く、家族間のつながりなども劣悪であることが少なくないことがよく分かるでしょう。

 

 

結果として高収入の家庭は塾や予備校など、子供の学習に対してお金を湯水のように投下して進学校を目指せるのに対し、貧しい家庭はそうした選択肢などそもそも存在しないという現実があるのです。

 

 

底辺高校の学生らは生活のために仕方が無くアルバイトなどで家計を助けるために働くなどするか、学費などの支払いすらもできずに退学するケースも少なくありません。

 

 

低学力も低学歴も貧困に至るまでもが受け継がれてしまっているのが現実で、何もかもを完全な個人の自己責任で片づけることなどできないということがよくわかるはずです。

 

 

学習に対する意欲についても、やはり貧しい家庭と裕福な家庭では大きな開きがある現実がよくわかると思います。

 

 

進学校でも問題があるところは少なくない

 

 

この本を読んでいると疑問に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、「やはり低レベルの高校だと学校が荒れ放題なのではないか」という疑問もわからなくはありません。

 

 

ただ、これは私の持論として学力上位の学校でも荒れている学校は少なくないということです。

 

 

2005年の夏の時期だったと思いますが、私が中学校時代に所属していたときの部活動の先輩(上級生)と久々に会う機会がありました。

 

 

その先輩は私とは違い、卒業後に県内でも上位の高校に進学したのですが、聞くところによるとその先輩は高校を2,3か月ほどで退学してしまったのだそうです。

 

 

なぜそうなったのかというと、学級崩壊のようなことが酷かったから中退したのだと話していました。

 

 

携帯電話が盗まれたり、物が壊されたりすることが日常茶飯事だったのだそうで、そこにいると気がおかしくなりそうだから中退したというような内容だったと思います。

 

 

また、私のかつての友人らも県内で屈指の上位高校に入学した人もいたのですが、やはりそこにいる学生たちの質はお世辞にも高いとは言えなかったと言っていたものです。

 

 

つまりが大半の学生は何の目的も持たず、嫌々ながら学校に進学しているという現象がどこでも起きていると言い換えることができるのではないでしょうか。

 

 

そして結局底辺高校にせよ進学校にせよ、卒業しても大した職にありつけずに低賃金で働いていたり、正社員でも解雇されて路頭に迷ってしまったというような話を聞いた覚えがあります。

 

 

とにかく私がお伝えしたいのは、最低でも高校だけは卒業させなければ未来が無いという人は多いですが、学校はあくまでも本来目的がある人が通う方が健全だということです。

 

 

この本には至る所で高卒でなければ仕事が見つからず、ロクな仕事が無いということが書かれています。

 

 

もちろん、現実には高校卒業以上の学歴が採用条件になっていることは少なくないですし、中卒では採用されないケースも多々あるでしょう。

 

 

ただしかし、高校を出たからと言って生活に困らないという保証はどこにもありません。

 

 

また、高校卒業資格を得るだけならばわざわざ受験競争に巻き込まれずに入学できるような選択肢も今は沢山存在するものです。

 

 

個人の目的に応じて進学・就職を選択するという方が現実的であり、最も納得ができる結果になるのではないかと思います。


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