教育に強制はいらない

教育に強制はいらない―欧米のフリースクール取材の旅 (1982年)

900円

 

日本以外の諸外国のフリースクールの活動状況や、設立に至ったまでの経緯などがとてもよく分かる本です。

 

 

初版発行されたのが1982年なので実に30年以上昔の書籍ですが、子供にとって最良の教育とは何かを考えるのにとても参考になる1冊でした。

 

 

フリースクールだけではなく、ホームエデュケーション(ホームスクール)への取り組みも書かれています。

 

 

そして、学校に行かない子供でも高い学力を身につけることが出来るという実態が具体的な事例などとともに記載されています。

 

 

本のタイトル通り、人間が育つために政府の学校教育で決められたカリキュラムなどを強制される必要は全く無いと感じました。

 

 

この本を見て感じたのは、やはり外国は脱学校という動きが本当に進んでいるのだなということです。

 

 

しかし、とはいうもののそうした選択を勝ち取る為に多くの人々が政府の教育関係者の妨害行為と戦ってきた道のりも長かったということもよく分かります。

 

 

政府の学校から離脱し、教育の主権を市民に取り戻そうとする活動家や支持者らが、裁判などで争ってでも反抗してきたという歴史も是非ご覧になって欲しいと思います。

 

 

また、171ページから始まる学習交換所というネットワークを通じて、教員免許などを持たない人々同士が教え学び合うという部分は特に注目するべきでしょう。

 

 

この部分を見れば資格を持った専門家だけが子供や人にものを教える権利があるなどという思想が、どれだけバカバカしいのかが本当によくわかります。

 

 

学ぶ意欲があれば人は学校など行かなくとも何歳からでも学ぶことができるし、教えようという意志があるのならば免許など無くとも誰もが教師になれるという真実が伝わってくるはずです。

 

 

こうした取り組みが世界的に広がり、日本などでもどんどん主流になってくればいいのにと思うのは私だけではないと思いますが、おそらく当面は無理でしょう。

 

 

政府の学校も数多くの膨大な利権などがあるので、結局は教育には資格を持った専門家が必要だというデマを流し続けるだけだと思うからです。

 

 

もっとも、その政府の学校の教育現場でも酷い荒廃が起きているという現実も本書でよく分かります。

 

 

239ページからはそうした校内暴力などのあまりの酷さが沢山書かれており、こんな場所しか選ぶことができない当事者の学生はあまりにも可哀想だなと思います。

 

 

とにかく、この書籍を通じて政府の学校を変えようとすることは重要ではなく、公教育以外での成長の自由をもっともっと大勢の人間が真剣に考えるべきだというのが私の結論です。

 

 

政府の学校は恐らく、というよりもまず間違いなく変わりません。

 

 

そんなものが素晴らしい空間になることを期待するよりも、現時点で素晴らしい教育の選択肢を子供に与えることを大人たちがしっかり考えましょう。


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