焦らず子供を受け止めること

引きこもりになってしまっている状態を改善する為に必要なことは、何よりもまず当事者である子供を焦らずに受け止めることです。

 

 

これは不登校のときと何ら変わりませんが、周囲の理解があるかどうかということは本当に大切な事です。

 

 

特に両親がしっかりと社会的に見ればまともではない状態の我が子であっても、ありのままの姿であるということを認めてあげて下さい。

 

 

違いは深刻さと重要度

 

 

私自身もそうですが、とにかく多くの支援団体などが認識していることでとても重要なことがあります。

 

 

それは引きこもりと不登校は現象だけ見れば同じですが、その重要度などが全く違うという事です。

 

 

分かりやすく言うならば、不登校は学校に登校していないという状態ですが、学校に行かないから親が経済的に困窮していくということはまず有り得ません。

 

 

むしろ学校に行かないことでお金は家庭の物になり、増えるとさえ言えます。

 

 

ましてや当事者が困っている場合を除けば、基本的に誰も学校に行かないことで騒ごうとする人は多くありません。

 

 

しかし、引きこもりについては別の場合が多々あります。

 

 

経済的にも、肉体的にも精神的にも、親が疲弊し疲れきってしまいどうしようもないというケースも少なくありません。

 

 

親が高齢化し、年金暮らしだったり定年退職を間近に控えて今までの所得水準を維持できないにも関わらず、子供が自立しようとしないので四苦八苦の状態に追い込まれる場合もあります。

 

 

所得水準で中流と言われる程度以下の家庭の子供が収入源を持たずに、こうした引きこもり状態となってしまうことが事実上最大の問題点でしょう。

 

 

要するに、不登校はお金の面で何ら他者に迷惑をかけていないのに対し、引きこもりの場合は経済的に家庭の財政状態を圧迫してしまうという現実があるわけです。

 

 

親などがいなくなってしまうと今度は社会保障費などが使われることになり、国の財政事情にも影響があるということは不登校と決定的に異なります。

 

 

要するに重要度・深刻さでは、不登校は軽度というか個人的には何ら問題ないレベルなのですが、引きこもりは当事者や家族にとって死活問題と呼べる深刻さがあるのです。

 

 

お金という物が1つ関わっているだけですが、同じ状態にあってもこれだけの違いが出てきてしまうのが現実です。

 

 

それでもあるがままを受け止めることから

 

 

ですが、それでもまず両親に徹底して欲しいことがあります。

 

 

それは、たとえ引きこもっていても我が子は我が子であり、1つの人格を持った人間であるということを認めてあげることです。

 

 

20代・30代、下手をすれば40代になっても職についていなければ、他の社会人などと比べても劣っているとしか思えないかもしれません。

 

 

しかし、子供にも子供の過去があり、人生がありました。

 

 

当事者にしか分からない思いや苦しみというものが、長年存在してきたのです。

 

 

もし標準的な人生の階段を普通の人が10段上りきって、自立した生活を送っていると仮定します。

 

 

恐らく親などは我が子は階段を1段も上れていないのだと嘆くでしょう。

 

 

しかし、それはやめて下さい。

 

 

過去がどうであれ、重要な事はこれからを前向きに生きられるかどうかです。

 

 

階段をまだ1段も上れていないならば、今ここから10段目に到達できるように支援し、子供を自立できるように支えることが親の役目です。

 

 

引きこもっている状態も遊び呆けているようなときでさえも、当事者はとても苦しい場合が多いのです。

 

 

私自身も10代後半から数年間無職で、親類の財産を食いつぶして生活していただけの人間でした。

 

 

しかし、内心は不安な思いが日々離れませんでしたし、本当はこのままではいけないという気持ちはずっと頭の中を駆け巡っていました。

 

 

社会復帰できるのか?

 

 

どこで道を間違えたのか?

 

 

何がしたくて生きていたのか?

 

 

こんなことばかりがずっと続いて、結局数年が経過してしまっていたのですが、やはり行き着いた結論は理解されたいということでした。

 

 

無職でも、引きこもっていても、本質的な人間としての価値は大して変わらないんだということを理解されたかったというのが私自身の感じていた真実です。

 

 

私には幸いにもその理解者が身内に存在したので、人生を前向きに生きる力が沸いてきました。

 

 

理解されなければ、やはり人が本当の意味で変化するということは少ないものです。

 

 

あなたが親であるならば、まずはとにかく現状の子供をそのまま受け止めてあげて下さい。

 

 

全てはそこからがスタートです。


トップページ プロフィール お勧めの書籍 広告掲載など お問い合わせ