自己責任を考えすぎないこと

引きこもっている当事者たちが自己責任にとらわれすぎて、苦しい思いをしているケースも少なくありません。

 

 

こうなってしまったのは何もかも自分が悪いという思いを抱いて、停滞している状態もあるのです。

 

 

そこで重要な事は、とにかくこの自己責任をまず一度捨ててみるということです。

 

 

自己責任は真実なのか

 

 

引きこもりは結局甘えだ怠惰だと言われ、そうなってしまったのは当人の意思の問題だとよく言われます。

 

 

「そうなる前にしっかりと人生を考えてこなかったから」
「もっと別の選択をしていればよかったのに」
「努力が足りないからそうなったんだ」
「引きこもりになったのは当人や家族が悪い」

 

 

・・・こんなことを言う人が沢山いるわけです。

 

 

確かに、人生というのは当人の自己決定・選択によって、最終的に形になっていくものです。

 

 

そして、それでは引きこもりになって無職で何もしていないのは結局そいつが悪いんだということが自己責任という考え方です。

 

 

仕事などができたはずなのに、何もしてこなかったから自業自得だという考え方でしょう。

 

 

しかし、この自己責任論というのは結局のところ人はどんなものにでもなれるし、どんな選択肢も選べるという前提条件のもとに成り立っている意見です。

 

 

実際はそんなことはありえません。

 

 

人が人生において選べる選択肢というのは限られていますし、人は何にでもなれるわけではありません。

 

 

人間というのは機械ではなく、自然界の1つの固体です。

 

 

誰一人として同じ人間はいませんし、得意不得意・好き嫌いなどは全て違います。

 

 

ましてや育った環境も、経済的事情も、適性も才能も違って当たり前です。

 

 

不登校のときもそうでしたが、同じ人間を生み出すという制度から離れたいという人に選択肢が与えられていないことが私は問題だと何度もお伝えしてきました。

 

 

学校という場所では教師の命令にひたすら従ってくれる同じ人間が好まれるわけです。

 

 

教師の方が君たちより偉くて、従えないのは異常なことだという洗脳を政府の学校では当たり前のように続けているのですが、これは自己責任でしょうか?

 

 

違いますね、どう考えても。

 

 

学校を絶対とするおかしな環境と洗脳教育が、従順な人間を作り出しているわけです。

 

 

それは自己責任などではありません。100%環境の問題であり、国の制度の問題なのです。

 

 

また、学校ではとにかく命令にしっかり従ってくれて、教師に迷惑をかけない良い子が好まれますが、結局そうした良い子はどんな子でしょうか?

 

 

自分を押し殺してでも学校にあわせて、良い子を演じようとする子のはずです。

 

 

不平不満があってもそれを外に出さず、みんなと同じ事をしようとする人間ではないでしょうか。

 

 

失敗しても他人のせいにせず、自分を改善しようとする素晴らしい人間性を持った良い子ほど、見方を変えれば疲れやすいのです。

 

 

失敗すれば怒鳴られたり、恥をかかされたりするのが当たり前という環境で、何かに挑戦したり新しい事を始めたりすることにも嫌気がさしてしまうのもよく考えれば自然な事です。

 

 

人は本当に環境からの影響というものを強く受けてしまう生き物だというのは、科学的にも証明されているのです。

 

 

そう考えたときに、引きこもりという現象は本当に自己責任の一言で片付けて良い問題だと言えるでしょうか?

 

 

例えばですが、アフリカや中東などで犯罪組織に幼少から育てられてきた人がいたとしましょう。

 

 

その組織の中では

 

 

「殺人は良いことだよ」
「どんどん人の命を奪おうね」
「そうすれば天国に行けるよ」

 

 

このような育て方をされ洗脳を受けて、殺人の訓練などをずっと施されていれば誰しも犯罪者になってしまうのは明白です。

 

 

狼に育てられれば人間でも狼になるとはよく言いますが、全く同じ事です。

 

 

人は環境によって生かされる場合もあれば、環境によって殺される場合も出てきてしまうのです。

 

 

時には失敗も他人のせいでいい

 

 

自己責任というのは確かに私も素晴らしい考えだと思います。

 

 

自分自身を内省し、失敗から学びとれることを学んで、改善するべき部分を見つけ出すという思考だからです。

 

 

言い換えれば「自分」をまず変えて、「他人」は極力変えないという考え方だと言えるでしょう。

 

 

ですが、引きこもりになっている人でも自己責任を十分に理解している人は少なくありません。

 

 

理解しすぎているから動けないという人も存在するのです。

 

 

何もかもが自分の責任で、他人は何も悪くないと思い続けていれば、精神を病んでしまうのは人間であれば自然な事です。

 

 

それならば、もういっそのこと現状を変えるために自己責任という言葉を一度捨ててみるというのも手ではないでしょうか?

 

 

親も悪いかもしれませんし、幼少からの環境も悪かったのかもしれません。

 

 

学校が悪かったかもしれませんし、付き合っていた人間にロクな人間がいなかったからなのかもしれません。

 

 

いずれにせよ何にせよ、自己責任はたしかに立派な考えかもしれませんが、それと引きこもりの現状を改善するという思考は繋がりません。

 

 

良い選択を与えてこなかった大人や社会も悪いのです。

 

 

ただし、これは何でもかんでも全て他人のせいにして周囲を憎んで下さいという事ではありません。

 

 

それはまた別の問題になってしまうので、現状を打破するための思考を変化させる方法の1つとして自己責任にとらわれすぎないで下さいというお話です。


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